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Feb 23, 2008

ICレコーダーで“メモ”――「音メモビジネスライフ」の楽しみ方

連載
樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:
ICレコーダーで“メモ”――「音メモビジネスライフ」の楽しみ方

メモには「手帳を使えばよい」だって? 歩いている時やカバンを持っている時には、手帳やノートをすぐには取り出せないではないか。そんなことじゃ、大事な発想も消えてしまう。いつでもどこでも音声で“メモ”できるのがICレコーダーの強み。この道具の便利な使い方をご紹介しよう。 2008年02月22日 08時00分 更新  筆者は、常に2台以上のICレコーダーを携帯している。1台はズボンに取り付けて、ポケットに入れている。何か思いついた時、即それをポケットから引き出して録音し、歩く時はストラップを握って発想が浮かんだら即録音している。

 「手帳を使えばよい」だって? 歩いている時やカバンを持っている時には、手帳やノートをすぐには取り出せないではないか。大事な発想も消えてしまう。いつでもどこでも音声でメモできるのがICレコーダーの強み。この道具の便利な使い方をご紹介しよう。

アイデアメモ、ビジネスメモ、道案内メモ
 「ICレコーダーから書き写すのが面倒」だって? アイデアマラソンのツールとしてICレコーダーを利用する場合のポイントは、書き写すこと。手帳だってメモの状態からノートに書き写す。そのまま放置していたら何にも使いようがない。書き写し行動が発想を深く、豊かにするのだ。

 あまり長く録音するのもよくない。録音時間は1件10秒以内。ただし、短いメッセージをたくさん録音していると、必ずボタンを遅れて押して録音メッセージの頭を欠けさせてしまったりする。録音の終わりに先に停止ボタンを押して、お尻を欠けさせてしまうから、短い録音は2度繰り返すことが大切だ。「発想」「予定」などと、カテゴリーごとのフォルダを登録しておくのもいい。

 ICレコーダーを風呂場に持ち込むのもいいだろう。防水はジップロックを2重にして、その中にICレコーダーを入れると、筆者の経験上ほぼ完璧。風呂やシャワー、プールに持ち込んで、その場で思いついた発想をどんどん入れている。ジップロックのフィルムが音のフィルターになっているのか、意外とはっきりと録音できる。プールでは水着の小さなポケットに入れて泳いでいるが問題はない。袋の上から再生もできる。

 会議やアイデアマラソンの研修で録音して、速聞きモ一ドで再生して、ノートでまとめたり、研修の発言者の発想内容をリスト化したりしている。特に海外出張では威力を発揮する。外国のお客からの挨拶を生で録音して、社内に持ち帰ったこともあった。相手の了承を得られたら、会議の内容も録音しよう。外国語での誤解を避けるために重要なことなのだ。

 ベトナム駐在時代の国際入札で、数十社が参加して、公開で価格の読み上げが行われた時、参加社は全員が読み上げられる各社の価格を懸命に書き留めることになるが、筆者の場合はICレコーダーで録音していた。その場で書き留めたものと発表されている数字とを照合できて、自分の書き間違いの数字をみつけて、ホッとしたことがある。録音していなければ、とんでもないことになっていた恐れもある。

 ICレコーダーでよく使うのは、初めて訪問する客先の“道案内”だ。電話で道順を聞いた時、相手の説明をそのまま自分で繰り返して、手元のICレコーダーに録音する。それを聞きながらたどり着く――というわけだ。

音メモで広がる異文化交流

筆者がメインで使っているオリンパス「LS-10」(右)と予備の「DS-40」(左) 海外に出張するなら、仕事だけというのは惜しい。その国を知り、文化を知り、人を知る。デジカメに次いで、ICレコーダーが大活躍するのだ。

 ミャンマーを訪問した時、夕方ホテルのロビーで男性2人と女性1人の三重奏のライブ演奏が行われていた。西欧のポピュラーな曲を連奏していたが、通り過ぎるお客は多いのに、ロビーのソファーで聞いていたのは筆者1人だった。演奏家の1人が筆者のところにやってきて、筆者にリクエストを尋ねてきたので、ミャンマーのラブソングを聞きたいと頼んだ。

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 再びミャンマーのラブソングが始まると、驚いたことにそれまで見向きもしなかったホテルの客がたくさん集まってきて、筆者と一緒に聞き始めた。さらにホテルの従業員たちがカウンターの中や廊下の端で演奏に耳を傾け始めた。夕方7時から11時まで、たっぷりとミャンマーのラブソングに浸ることができた。夕食を飛ばしてしまったのは秘密だ。

 次の日は早めに夕食を食べて、同じ演奏家たちのライブを聞いた。その日はホテルのマネージャーまでが一緒に座っていた。ミャンマーからバンコクに戻る機内で、ICレコーダーの録音を聴いて感動で涙が出た。翌年、筆者はわざわざ彼らの演奏を聞くために、再度ヨメサンを連れてミャンマーを訪問した。その時はICレコーダーとビデオカメラで撮影して、今も筆者のHDDに収録してある。

 バンコクのタクシーで、ラジオから流れた女性のタイ語の歌が素晴らしく、さっそくICレコーダーで“音メモ”して、近くのCDショップに入り、女性係員に聞いてもらってCDを購入した。

 この前は日本のコンビニの流れる曲を音メモして、ツタヤで購入した。鬼束ちひろの「月光」とKiroroの「未来」は素晴らしい。ハマった。別の機会に、那須の仕事の現場を訪問した時、帰り道でウグイスが鳴いていた。筆者はICレコーダーで録音して、出張饅頭とウグイスの鳴き声のお土産を持ち帰った。京浜急行の電車が出発する時のモーター始動音が「ドレミファソラシド~」と美しく聞こえるのは有名で、わざわざ録音しに出かけたこともある。

夢を2度楽しむ方法――夢メモ
 1996年ごろ、筆者は枕元のICレコーダーを置いていた。朝、目を覚ましたら、見ていた夢を録音していたのだ。夢は目を覚ました直後は生々しく覚えているが、朝のトイレに行っただけで流れ去ってしまう。そのぐらい繊細だから、目を開けないで録音したものだ。

 これを後で聞き直すと、楽しい夢を再び思い出すことができた。つまり、「夢を2度楽しむ方法」だったのだ。ノートに夢を書き留める人もいるが、書いている間に脚色してしまうことが多い。その点、音声は生々しい。若いころと違って、あまりに恥ずかしい夢はほとんどなくなってしまったが。

 当時のICレコーダーの音質は低かった。それでも旅や夢を10倍楽しめた。それが今や何と、ステレオでリニアPCM録音の可能なICレコーダーも登場している。ICレコーダーのメモはもっと活用できるのではないだろうか。

 この人のICレコーダーの活用法は注目に値する。実際に、MTGの録音くらいにしか使っていないからなー・・・。

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