イランで何が起きたのか 情報戦とTwitter
山崎さん イランで起きている大統領選をめぐる混乱で、改革派の情報交換ツールとしてネットが活躍している。イラン人留学生から話を聞いたという山崎さんによると、首都テヘランに住む知識層の若者が、情報統制をかいくぐり、TwitterやFacebook、FriendFeedを使って情報交換しているという。
イランでは情報統制が厳しい。電話はデモが行われる夕方は使えなくなり、日本から電話しても「ムサビ(改革派の元首相)」や「選挙」といった言葉を発すると回線が切断されるそうだ。テレビは国営放送しか見られず、ニュースは改革派のデモをほとんど報じないか、「テロリストが暴れている」といった扱いという。
海外ニュースを見るためのチューナー設置は違法で、海外メディアも取材禁止。新聞や雑誌は検閲され、削除された部分の白紙が目立っているそうだ。テヘランは私服警官や私服民兵だらけ。カメラを持ち歩くことはできず、現在出回っている国内の画像は、携帯電話で撮影したものという。
ネットの利用も制限されている。回線速度が絞られ、動画はほとんど見られない状況。TwitterやFacebook、FriendFeedもアクセス禁止となっているが、改革派の若者たちは、海外のプロキシ経由で制限を逃れているそうだ。
情報はTwitterの「ハッシュタグ」や「ReTweet」といった交流機能で米国など海外のネットユーザーにまたたく間に広がり、米国のTwitterにも改革派支持勢力ができている。米国の支持勢力は、アイコンの色を変えて支持を明確にしたり、プロキシを立ててネット利用をサポートしたり、イラン政府のアクセスブロック状況を解析しているという。
Twitterに投稿されたイラン情報のまとめサイトも。国民の6割が30代以下という
アイコンを緑色に変えて改革派サポートを表明
イランからの情報発信が著しく制限されているため、米国のメディアはTwitterなどネットからの発信を注視し、それをそのまま報じることもあるという。米国国務省もTwitterに注目しており「Twitterがメンテナンスするとイランからの情報が入ってこなくなるので、メンテの延期を要請したと報じられている」(山崎さん)。
イランをめぐる情勢は、ネット上での情報戦の様相を呈している。現職のアフマドネジャド大統領は地方での支持が高く、その政策に反対する改革派の若者は少数派だが、彼らがネット上で発信することで国際社会に強くアピールし、数の上での不利を逆転しているとみることもできる。情報源として頼られているだけに、意図的・意図的でないにかかわらず、デマも高速に流通する。
日本にいるイラン人留学生は、改革派の戦略に賛否両論。「海外からの圧力を助長し、内乱を誘発する」と否定的な人もいたという。
ネット情報を活用したイラン報道は、米国で議論を呼んでいる。New York Timesは29日付けの記事で、「Journalism Rules Are Bent in News Coverage From Iran」と題し、イランに関する報道は、ソースを確認して掲載するというジャーナリズムのルールを変え、TwitterやYouTubeなど、ネットに公開された情報をまず報道し、その内容を読者に検証してもらう――というスタイルが生まれていると紹介。報道規制がしかれた国の情報を個人が引き上げ、世界に伝えるという流れが生まれている。
米国では70人の上院・下院議員が利用
“Twitter先進国”米国では、議員の利用も進んでおり、上院19人、下院51人が使っている。オバマ大統領の就任演説や、議場の様子を生中継した議員もおり、「新しい透明性が生まれた」「いや、不真面目だ」という賛否両論がわき起こったという。
庄司さん 庄司さんによると、米国政府はネット活用に積極的。Twitterに限らず、YouTubeやFacebook、Flickerなどで情報発信しており、政府のCIO(最高情報責任者)は「マスメディアに情報を出すより先に、Webの一般的なツールを使って国民に直接伝える」という戦略を示しているという。
マスコミでのTwitterの扱いも「日本とはずいぶん違う」。有名人の発言がニュースで取り上げられるケースも珍しくないほか、「TIME」など雑誌でも頻繁に特集が組まれているそうだ。「人が変化した。ソーシャルウェアの使い方を分かっている人が増えた」――庄司さんはネット研究者、ハワード・ラインゴールドの言葉を引いてこう話す。
Twitter実況中継と政治、報道
Twitter実況中継は、津田さんのTwitter ID(tsuda)から「tsudaる」と呼ばれることも。「この呼び方は嫌だったりするんですが……」(津田さん) 日本の状況はどうだろうか。登録ユーザー数は明らかになっていないが、津田さんは8万人程度がアクティブに利用しているとみている。日本語の面白い発言をピックアップする「ふぁぼったー」がクロールした有効アカウントが8万程度だったことがその根拠。ユーザー数が拡大するにつれ、趣味の近い人同士が「クラスタ」としてゆるやかにつながっり、オフ会を開くことも。Twitterで知り合って結婚したという事例もあるそうだ。
津田さんは2007年から、Twitterを使って審議会やシンポジウムなどを実況中継してきた。「ネットは政策などへ反応が遅すぎる」という問題意識があるため。Twitterでリアルタイムで状況を伝え、問題を指摘することで、できるだけ早いタイミングでネットユーザーに対応を促したいという。
Twitterと日本の政治 橋本議員の使い方
こういう新しいギミックを日本の政治家が早々に使い始めるというのはなかなか考えにくいなあ。こういうところ非常に保守的・・・。
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